秩父札所 第33番 延命山 菊水寺(きくすいじ)    Enmeisan Kikusui-ji Temple   天空仙人の神社仏閣めぐり

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「本堂」「参道」
HondoSando
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「正大悲殿の扁額」
Hengaku
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「奉懸 孝行和讃」「奉掛 子孫繁昌手引草」
Koukou WasanShison Hanjyo Tebiki-kusa
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「格子天井の千社札」「芭蕉翁 句碑」
Basyoou Kuhi
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秩父札所 第33番 延命山 菊水寺(きくすいじ)

Enmeisan Kikusui-ji Temple

埼玉県秩父郡吉田町桜井1104


【御詠歌】  春や夏冬もさかりの菊水寺 秋のながめに送る年月

【御本尊】 聖観世音菩薩


縁起

昔一人の老僧、朝夕菊水を服用し、身体強壮にして壮年の如し、里人に菊水の功徳を説く此より里人観音の霊験なりとて菊水を服したと云う

楠正成は此寺の守を常に肌にし賜ひけるに、赤坂の戦に矢を当てられしに疵もつかざりしが肌守の一心称名の四字に矢の根当り居りしと


八人峠に出没した盗賊が、旅僧の導きで改心し、菊水の霊泉で心身を洗い出家した。 そして彼らは旅僧から与えられた三体の聖観音像をまもり、草庵を結んで仏道に精進し、峠の通行の安全を祈願した。 やがてその一人が草庵を現在地へ移した。これが寺の草創である。


子孫繁昌手引草

田舎にては所によりて、貧乏人に子供の多きは、身代のかせなりとて産みおとしたるとき、口を塞ぎ尻を押へて、 ひざにしき殺し、又は産ぬさきに飲ぐすり、さしぐすりにて流すを、子返しといひ、又子まびきともいふ。扨さ ていたはしき事なり。いかにむごい親なればとて、吾子をころすを、瓜茄子を押つぶすやうにこころえて、かは ゆひとも不便とも思はぬは、あまりどうよく成ことなり。

他人を殺てだにげし人になるものを、ましてかわひがらねばならぬ筈の子を、親が殺して、おそいか速いか、そ の報ひがなくて済べきや、是がそのむくひなりとて、しらせがないゆゑに罪も報ひもないと思ふは愚なり。子供 が多くて貧乏な者もままあれども、是は生れ付の貧にて、子ゆえに貧乏するにあらず。子供が身上のやせに成るも のならば、子のない者は金持になる筈なれども、夫婦ぐらしや一人者にもびんばう人のあるをみて、貧乏は子供 の有るなしによらぬことを合点すべし、子どもが身代の邪魔にならぬ訳は、芋を種れば、親芋の廻りに子芋がい くらも芽を出せども、子芋が親芋の邪魔にはならで、子芋が多ければ、かへりて親芋もふとるものなり。親芋の やせに成とて、子芋を欠て捨れば、その欠口よりくさりて、却りておや芋の痛みになるなり。

人間もその通りにて、子どもが多くても、その子が面々福分をもちて生るるゆゑに、些も親のかせにはならぬなり、 たとへば子芋にそれぞれに根がはへてこやしを吸ゆゑ、親芋のかせにならぬがごとし、 子返をすれば、その子のうらみにて家に災難が多く親の身上悪くなるなり。たとへば子芋を 欠て捨れば、その欠くちよりくさりて、おや芋の痛みになるがごとし。身代の為に子がへしをしてかへりて身代 を悪くするはおろかなることならずや、すべて子供の多いは、めで度ことにて家繁昌の基なり。多くの子の中に は、よい子が立身して、豊かに親をやしなひ楽いん居といはるる人、世間にいくらもあることなり。よしや子ゆ ゑに難義をするとも、なん義を難義とおもはずして、子を育るが親たるもののこころなり。

雉子は卵をぬくめてゐる時、にはかに野火が焼来たれば、あわてて一度は逃されども、卵を見捨がたさにまた巣に かへり終に焼死ぬるといへり。焼野の雉子とはこのことなり。人間として雉子の情におよばぬといふはあさまし きことならずや。又にはとりは腹に生へたる羽が子をぬくめる邪魔になるゆゑ、たまごをうめば、羽を喰ぬいて あたたむるなり。

又昔、子をはらみたる犬の腹を射やぶりたれば逃ゆくとてその破れ口より、ゑのころがこぼれ落たるを親いぬた ちかへり、悲しげに是をねぶり、口にくはへて逃んとしてそのまま倒れ死したり。腹を破られて死する今はの時 までも子を不便がる有さまを見て、射殺したる人前非を悔み出家せしためしあり、虎狼も牛馬も親が子を殺すと いふは、曽てなき事あり。惣じて畜生は子を育ても、子に養はるるにもあらず。跡を譲るにもあらねども、親と なりては是非ともに子を憐む筈のものゆえに、ちひさい蟻に至るまでも「すは」といへば卵をくはへて逃るなり。

万物の霊たる人間が、鳥獣だにせぬ子返しをするはあまりなさけなきことなり。子返しをする者、一人にてもあ れば、其村の不吉なり、近所隣親類縁者友達などに左様のものあらば、早く意見して止さすべし。捨おくは無慈 悲なり、一人に子返しを止さすれば、堂塔を建立せしよりも大きなる功徳なり。堂塔は金銀あれば建ども、人の いのちは銭金にて買れるものにあらず。若又五人十人に意見して止さすれば誠に上なき大善根なり。右の訳を能 合点して、人にも意見し、自身も慎むべし。若今までに子返ししたる覚あらば、深くその罪を恐れて、念仏題目 経だらにを勤めて、真実に菩提をとひ、殺したる子にわびことすべし。さもなくして捨おかば其怨霊のたたりに て、いろいろの災難がありて、終に家断絶し、後生は地獄の責を受べし。委しきことは諸方の寺々にて説法の度 度具に因果の道理をしめして、ねんごろに教誡したまへかしとふかくこひねがふところなり。

此ほんを只一っぺん見て捨おきては、用にたたず。五へんも七へんも見て能よく合点し、人ごとに咄し聞せ、外 へも本をかして読せ子返しの止やうにすれば大き成くどくになることなり。

此書は 何れの聖より 布施なるや

誠に 尊き 書なり 今求んに 便りなし

よって元本の儘 再板となし 辺土に弘め

一助ともならん事を希のみ

菊水寺 掲額より


孝行和讃

それ人間と生まれては、まつ孝行の道を知れ、親に不幸の輩(ともがら)は、鳥獣(とりけもの)にも劣れりと古人は 恥しめ置かれたり、その孝行のおもむきは、

親の心をよろこはせ、苦労をかけしと慎しみて、遊所徘徊、遊山事、大酒口論人あやめ、博?徒徒党強訴せず、総 て公儀の御法度を、背かぬように相守り、朝早くおき晩くねて、夫々家業怠らす所の役人 年上の、人をあかめてかろしめな、兄をいやまひ弟を、恵みて親類むつましく、悪しき人 には遠さかり、益ある友を慕ふへし、婚礼するにはその容儀、里の貧富にかかはらす、親に 孝行ある人を、求めて宿の妻とせよ、普請諸道具きるものも、身の分限を顧みて、奢を慎しみ倹約し、 借りたるものを早や返し、なるたけ借財せぬやうに、心にかけて道ならぬ、利得をほしかることなかれ、 女子は嫁入する先の、しうとめしうとを父母と、思ふてあつく孝行し、りんきしつとを慎しみて、 夫に貞節怠るな、もし先妻の子があらば、おろそかにすな幼な子を、後に残してゆく人の、永き別れの 悲しさは、いかばかりそと思ひやり、実の母になり代り、深く憐み育つ可し、親子兄弟よめしうと、 いともめでたきことそかし、幼き時は両親を、暫しかうちも離れじと、慕ひしものを妻や子の、 愛にひかれていつとなく、疎くなりゆくうたてさよ、我子を憐む心もて、親の慈悲をもおしはかり、 子をもつ人はわけてなほ、父母に孝行励むべし、また奉公をする人は、主人を親と同様に、 陰陽なく敬ひて、その身惜ます仕ふへし、もし父母か愚かにて、わけなく己を憎むとも、我孝行の足らねばと 自らせめて露ほども、親をうらむことなかれ、父母に孝行する人は子孫の栄も思ふへし、家の繁昌するせぬは、 子の善悪によるぞかし、子をよく育てあぐるには、常々親の為す業がよければ子もよくなるものぞ、 いか程きびしく叱りても、親の身持が悪ければ、おのづと子供も不埒なり、とはいへたとひ父母が、 不道放埒なりとても、子はまねをせず身を修め、折を見合せいさめつつ、正しき道に誘ひ入れ、親に 悪名とらすなよ、もし父母か後の世を、ねかふ心をおこさずば、朝な夕なに神仏の、冥加を深くこひねがひ、 よりよりすすめ誘ひて仏の道に入らしめよ、両親先祖の追善は、そのほとぼとに従ひて、供仏施憎の善をつみ、 人目をかざらす、信実に菩薩の為めに回向せよ、手向けの誦経念仏を、僧に頼みて足れりとし、自らせぬは粗略なり、 なるたけ自身も勤む可し、親の存命せし時に、いか程孝行ありとても、死しての後の追善を、おろそかにする輩は、 孝を尽すに非ずとは、八幡宮の託宣ぞ、遠きを追ひてねんごろに、親に孝行ある人は、神も仏も憐みて、 常にまもらせ給ふ故、その身も安く子孫まて、余慶をうくることぞかし、神明仏陀聖賢の、教えまもり孝行を、一期怠ることなかれ

掲額より


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